免疫細胞の制御遺伝子特定=難病の治療法に道−東京医歯大など(時事通信)
多発性硬化症や関節リウマチなどの原因となる免疫細胞を制御する遺伝子を、東京医科歯科大や大阪大などの共同研究グループが突き止めた。新たな治療法につながる可能性があるという。11日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
これらの病気は、本来ウイルスなどの異物を攻撃するはずの免疫細胞が異常反応して組織に障害を与えるため「自己免疫疾患」と呼ばれ、厚生労働省の難病指定を受けている。
各種の免疫細胞のうち、自己免疫疾患を引き起こすのは「Th17」というT細胞であることが知られている。研究グループは、特定のたんぱく質がTh17細胞の中に多く存在することを発見。T細胞をTh17細胞に分化させる刺激がこのたんぱく質をつくる遺伝子の働きを活性化し、それによってTh17細胞による炎症物質の生成が促進される仕組みを解明した。
この遺伝子をなくしたマウスのT細胞は、刺激を与えてもTh17細胞への分化が進まなかった。また、実験的に多発性硬化症を誘発しても発症しなかった。
研究グループは、この遺伝子がTh17細胞を制御しており、自己免疫疾患の治療法開発の有望なターゲットになるとみている。
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